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タイヤを自分で履き替えたあと、あるいは通販で買ったタイヤを付けたあとに、空気圧を自分の手で確かめたい。そのためにエアゲージを1本買おうとしている人に向けて書きました。
先に答えを置きます。エアゲージは、走る前の冷えたタイヤを測り、車ごとに決まった指定空気圧に合わせるための道具です。
選ぶときに見るのは、読み方の型と、測れる上限と、精度の表記の3つ。
書いている私は、現役の自動車整備士です。測り方は車の取扱説明書で、品の数字はメーカーの公式ページと取扱説明書で確かめました(2026年10月22日)。
測り方の要点、kPa と kgf/cm² の単位の読み方、選び方、おすすめ3選、測る手順の順に載せています。
先に結論:エアゲージは冷えたタイヤとラベルの数字で使う
測り方の芯は3つです。
- 走る前の、タイヤが冷えているときに測る
- 合わせる先は、車ごとに決まっている指定空気圧(運転席の横のラベルか、取扱説明書)
- ゲージの数字にも誤差がある。精度の表記を見て選び、一度は基準と比べておく
トヨタのカローラ(ハイブリッド車)の取扱説明書は、空気圧の点検はタイヤが冷えているときに、と書いています。走ったあとはタイヤの熱で空気圧が高くなり、それは異常ではないので減圧しないでください、という案内です。
走ったあとに測って高く出ても、その場で空気を抜かないでください。
ホンダのシビック タイプRの取扱説明書にも、タイヤが高温のときに測ると低温のときより高めになって正しく測れない、とあります。
タイヤの中は、空気の逃げ場がない入れ物です。温まれば、中の空気の圧力(内圧)が上がります。
タイヤメーカーのコンチネンタルの案内では、外の気温が10℃上がると、空気圧はおよそ11kPa上がるそうです。
指定空気圧は、運転席の横のラベルか取扱説明書で見る
ホンダの取扱説明書は、指定空気圧は運転席の横の車体に貼ってあるラベルにも書いてある、と案内しています。
コンチネンタルの案内は、運転席ドアの開口部や取扱説明書のほか、給油口の内側か運転席のドアポケットに書かれている車もある、という書き方です。
数字は、前輪と後輪で違う車があります。カローラ(ハイブリッド車)の取扱説明書では、195/65R15 のタイヤが前輪250kPa・後輪240kPa、205/55R16 のタイヤが前輪220kPa・後輪210kPaです。
同じ車でも、タイヤのサイズと前後で数字が変わります。測る前に、自分の車の欄を見つけておきましょう。
通販で買ったタイヤが、車のメーカーが指定したものと違うなら注意が要ります。大橋産業のデジタルタイヤゲージの取扱説明書は、メーカー指定以外のタイヤを付けているときはタイヤ販売店に適正空気圧を確かめるよう書いています。
単位の読み方(kPa と kgf/cm²)
エアゲージのメーカー旭産業の解説によると、いまのタイヤの空気圧の単位は kPa(キロパスカル)と決められています。新しい計量法の施行で、それまで主流だった kgf/cm²(キログラムフォース毎平方センチメートル)から kPa に切り替わった、という説明です。
換算は 1kgf/cm² = 98.0665kPa。タイヤの空気圧では、ふつう 1kgf/cm² = 100kPa として換算する、と同じ解説にあります。
カローラの取扱説明書も「250(2.5)」のように、kPa の数字の横のかっこに kg/cm² の数字を添えています。2.5 とあれば 250kPa のことです。
古いゲージで目盛りが kgf/cm² だけなら、取扱説明書のかっこの中の数字と見比べれば、換算せずに読めます。
表示が psi や bar のゲージは、kPa に切り替えられるか、kPa の目盛りがあるかを買う前に見てください。kPa で読めれば、ラベルの数字とそのまま比べられます。
精度の表記は、おもに「±10kPa」型と「1.0%FS」型
ゲージそのものにも誤差があります。メーカーは精度を「±10kPa」のように kPa で書くか、「1.0%FS」のように割合で書きます。
FS はフルスケール、つまり測れる範囲の上限のこと。校正機器のメーカー AMETEK の解説では、FS に対する割合で書かれた精度は、範囲のどこを測っても同じ幅の誤差になります。
上限 700kPa で 1.0%FS なら、±7kPa にあたる計算です。
この記事の3品は、±10kPa(エーモン 8821)、1.0%FS(大橋産業 No.1228)、±20kPa(旭産業 2-A)です。指定空気圧が 220kPa で精度 ±20kPa なら、本当は 220kPa でも 200〜240kPa のどこかを指しうる、という読み方になります。
ゲージが合っているかの確かめ方
エーモンの案内は、エアゲージ単体では正しいかどうか判断できないので、タイヤ販売店で空気圧を点検したタイヤを基準にする、という方法です。店の測定機器は定期的に校正されているから、という理由が添えてあります。
エーモンのゲージの場合は、基準との差が ±1目盛の中なら正しい測定値で、その幅を外れていれば正しい値を示さなくなったものと考える、という線です。8821 で比べるなら、表記の誤差 ±10kPa以内が目安になります。
ゲージは年月でずれてくる
年月でずれてくることも、メーカーがそれぞれ書いています。エーモンは、中のゴムの部品の変化や衝撃などで次第に正しく動かなくなるとし、修理や校正には対応していません。
大橋産業の取扱説明書にも、長く使うと内部の部品の摩耗や経年劣化で誤差が出ることがある、とあります。
エアゲージ専門メーカーの旭産業は、長く校正していないゲージで、最大で+90kPaから-70kPaの誤差が出た例を公表しています。
買ったら一度、タイヤ店で空気圧を点検してもらった直後に、自分のゲージでも同じタイヤを測って差を見てください。
エアゲージの選び方は、型と測れる上限で決める
エアゲージは、読み方で3つの型に分かれます。針で読むダイヤル型、数字が出るデジタル型、棒の目盛りを読むペンシル型です。
下の図は、この記事で選んだ3品の表記で並べたものです。同じ型でも、品によって付いている機能は違います。

ダイヤル型は電池が要らず、ホース付きなら手元で読める
針と目盛りで読む型です。電池を使わないので、電池切れで測れない日がありません。
ホースの先の口金をバルブに当てる品なら、ゲージの本体を手元に寄せたまま目盛りを見られます。
家で合わせるなら、針が止まったまま値を残す「測定値の保持」と、ボタンで空気を少し抜ける「減圧」の両方が付いた品が扱いやすい形です。
デジタル型は数字で出る。そのかわり電池が要る
液晶に数字で出るので、目盛りを読む必要がありません。
大橋産業の No.1228 は単4形乾電池2本(別売)で動き、残量が減って「Lo」と出ると測れない、と取扱説明書にあります。
デジタルだから正確、とは限りません。比べるのは精度の表記です。
ペンシル型は小さく軽い。刻みは品で違う
ペンのような棒の形で、目盛りを読む型です。旭産業の 2-A は長さ138mm、重さ40g。
メーカーは「一台に一本常備すると、いつでも空気圧点検ができる」と書いています。
2-A の目盛りは20kPa刻みで、精度は ±20kPa です。家で細かく合わせるより、出先で減っていないかを見る使い方に向きます。
空気を抜く仕組みはなく、測るだけの品です。同じ旭産業の棒ゲージでも 2-B は10kPa刻みで、2-A との分け方は、おすすめ3選の 2-A の節に書きました。
測れる上限は、応急用タイヤまで測るかで決める
応急用タイヤ(スペアタイヤ)は、指定空気圧が高い車があります。カローラ(ハイブリッド車)の取扱説明書では、応急用タイヤが420kPa(4.2)です。
積んでいるかどうかはグレードやオプションで違う、と同じ取扱説明書に書かれています。まず自分の車に積んであるかを見てください。
測れる上限が応急用タイヤの指定空気圧より低いゲージでは、そのタイヤは測れません。この記事の3品の上限は、500kPa、700kPa、800kPaです。
旭産業の解説も、スペアタイヤを忘れずに点検するよう書いています。
エアゲージおすすめ3選
3つの型から1品ずつ選び、仕様はメーカーの公式ページと取扱説明書の字で比べています(確認は2026年10月22日)。
| 商品(型) | 測れる範囲 | 精度の表記 | 空気を抜く/電池 | 詳細 |
|---|---|---|---|---|
| エーモン エアゲージ スタンダードグレード 8821(ダイヤル・ホース約430mm) | 最大500kPa | ±10kPa以内 | 減圧できる/電池は要らない | ▼ 下で見る |
| 大橋産業 BAL デジタルタイヤゲージ No.1228(デジタル) | 10〜700kPa | 1.0%FS | 減圧できる/単4形2本(別売) | ▼ 下で見る |
| 旭産業 タイヤゲージ 2-A(ペンシル・棒ゲージ) | 80〜800kPa | ±20kPa | 測るだけ/電池は要らない | ▼ 下で見る |
エーモン エアゲージ スタンダードグレード 8821(ダイヤル型)
ゲージ径Φ51のダイヤルに、長さ約430mmのホースが付いた品です。
最大測定値は500kPa。誤差は ±10kPa以内という表記です。
測定値の保持と、空気を抜く減圧の機能があり、口金は360度回る作り。
メーカーは、測るときに空気が漏れないようにする機構(エア漏れ防止機構)を採用している、と書いています。専用のソフトケース付きです。
- 向く人:家で4本と応急用タイヤを測り、高いときはその場で少しずつ抜いて合わせたい人
- 向かない人:目盛りを読むより、数字で見たい人
大橋産業 BAL デジタルタイヤゲージ No.1228(デジタル型)
バックライト付きの液晶に、kPa の数字で出る品です。
測定可能範囲は10〜700kPa、精度は1.0%FS。上限700kPaの1%なので、±7kPaにあたる計算です。
減圧とリセットを兼ねたボタンが付き、ヘッドは360度回転。約30秒でバックライトが消え、さらに約30秒で電源が切れる、と取扱説明書にあります。
同じ取扱説明書は、確認のため2〜3回繰り返して測るよう書いています。減圧したあとは、いったんバルブから外して測り直す手順です。
ホイールの形やバルブの位置によっては使えないことがある、とも取扱説明書にあります。
- 向く人:数字で読みたい人、暗い車庫で測る人
- 向かない人:電池の残りを気にしたくない人
旭産業 タイヤゲージ 2-A(ペンシル型)
エアゲージ専門メーカーの棒ゲージ。測定範囲は80〜800kPa、精度は ±20kPa、最小目盛は20kPaです。
メーカーの説明では、800kPaまで測れるのでトラックやバスにも対応し、乗用車にも使えます。空気を抜く機能はなく、測定のみ。
刻みが20kPaなので、細かく合わせる道具というより、車に積んでおいて出先で確かめる1本だと私は考えています。
同じ旭産業の棒ゲージ 2-B は、測定範囲70〜400kPa、精度 ±10kPa、最小目盛10kPaで、刻みは 2-A より細かい品です。ただし上限が400kPaなので、カローラの応急用タイヤ(420kPa)のように指定空気圧が高いタイヤは測れません。
応急用タイヤまで1本で見たいなら 2-A、4本を細かく見たいなら 2-B、という分け方になります。
- 向く人:車に1本積んでおきたい人、応急用タイヤも同じ1本で見たい人
- 向かない人:この1本だけで、細かく合わせたい人
エアゲージの測り方(タイヤを替えたあとに)
次の順で測ります。溝やひびまで含めたタイヤの点検の全体は、バーストの前兆と交換の目安の記事にまとめています。
- 走る前の、タイヤが冷えているときに測る
- ラベルか取扱説明書で、前輪と後輪の指定空気圧を見る
- バルブのキャップを外し、バルブに付いたゴミやほこり、水分を取る
- 口金をバルブにしっかり押し当て、空気が漏れない状態で読む
- 確認のため、2〜3回測る
- 高ければ減圧ボタンで少しずつ抜き、外してから測り直す。低ければ空気を足す
- キャップをしっかり戻す
3から5と、6の減圧のしかたは、大橋産業のデジタルタイヤゲージの取扱説明書にある手順です。7はトヨタの取扱説明書で、キャップを外したままだと、ほこりや水分がバルブに入って空気が漏れるおそれがある、と理由が書かれています。
日本自動車タイヤ協会(JATMA)の空気圧の案内も、指定空気圧を確かめる、測る、下回っていれば指定空気圧まで補充する、バルブから空気が漏れていないのを確かめてキャップを締める、の順です。
減圧ボタンを押すのは、冷えているときに測って高かった場合だけです。
空気を足す道具
空気を足すには、エアゲージとは別にコンプレッサーや空気入れが要ります。大橋産業も、タイヤゲージの製品ページに、測ったあとはエアーコンプレッサーで適正空気圧に、という一言を添えています。
家に道具が無ければ、空気を入れられる場所(ガソリンスタンドなど)へ。
応急用タイヤと、新品のタイヤ
4本が終わったら、積んでいる車は応急用タイヤも測っておきましょう。
新品のタイヤに替えたなら、早めにもう一度、冷えているときに測ってください。旭産業の解説は、新品のタイヤに初めて空気を入れると骨格の部材がわずかに膨らんで中の容積が大きくなり、空気圧が下がることがあるとして、早めの点検をすすめています。
タイヤを替えたあとのホイールナットの増し締めは、増し締めのやり方の記事で書いています。
測るときに気をつけたいこと
空気は時間でも抜け、気温でも変わる
旭産業の解説によると、空気はゴムを通して少しずつ漏れるので、空気圧は時間とともに下がります。
点検の目安は、トヨタの取扱説明書で月に1回以上。低偏平タイヤなら2週間に1回か、長距離ドライブの前です。
コンチネンタルの案内では、冬場や気候によって空気圧がおよそ34kPa下がることもあるそうです。季節が変わったら、冷えているときに測り直してください。
測る時間も、なるべくそろえたいところです。コンチネンタルは、気温が上がってタイヤに日が当たる前の、冷えている状態で測るとより正確な数字が出る、という書き方です。
季節ごとの空気圧の考え方は、バーストの前兆の記事の空気圧の誤解の節にもあります。
合わせる先は、指定空気圧
コンチネンタルは、乗る人数や荷物の量、自然に抜ける分を考えて、指定空気圧を下回らないように調整してもよい、としています。
どれだけ多めにするかの数字は、自分の車の取扱説明書かタイヤ販売店で確かめてください。迷ったら指定空気圧に合わせ、下回っていないかを見ていきます。
よくある質問
タイヤ店で測った値と、自分のゲージの値が違います。どちらを見ればいいですか?
エーモンの案内では、タイヤ販売店で点検したタイヤの空気圧が基準です。
ただし、測った時間が違えばタイヤの温度も違います。店で点検してもらった直後に、同じタイヤを自分のゲージで測って比べてください。
差がそのゲージの精度の表記より大きいなら、疑うのはゲージのほう。
応急用タイヤも、同じエアゲージで測れますか?
測れる上限が、応急用タイヤの指定空気圧より上なら測れます。
カローラ(ハイブリッド車)の応急用タイヤは420kPa。この記事の3品は上限が500・700・800kPaなので、どれも届く数字です。
応急用タイヤを積んでいない車もあるので、数字と一緒に取扱説明書で確かめてください。
1本だけ、空気圧がすぐ下がります。どうすればいいですか?
ホンダの取扱説明書は、空気圧が下がっているときはパンクを入念に調べる、としています。トヨタの取扱説明書も、たびたび空気圧が下がるときは販売店でタイヤの点検を受けるよう書いています。
空気を足してしのぐより先に、タイヤを店で見てもらってください。
まとめ:エアゲージのおすすめは、型と測れる上限で選ぶ
エアゲージは、冷えたタイヤを測って、ラベルの指定空気圧に合わせるための道具です。
家で合わせるならダイヤル型かデジタル型、車に積んでおくならペンシル型。応急用タイヤまで測るなら、上限がその数字より上の品を選びます。
3品の比べ方は、おすすめ3選の表に戻って見てください。
そして買ったら一度、タイヤ店で点検してもらった直後に、自分のゲージでも測って差を見ておいてください。そのゲージの数字をどこまで信じてよいかの目安になります。
この記事で読んだ資料と確認日
- トヨタのカローラ(ハイブリッド車)取扱説明書のタイヤ空気圧の案内(冷えているときに点検、走行後に減圧しない、月に1回以上と低偏平タイヤの点検の目安、たびたび下がるときの点検、バルブキャップ)とメンテナンスデータ(タイヤのサイズごとの前輪・後輪と応急用タイヤの空気圧、kPa と kg/cm² の併記)2026年10月22日に確認
- 日本自動車タイヤ協会(JATMA)のタイヤの空気圧(点検の順=指定空気圧の確認、計測、補充、キャップ)2026年10月23日に確認
- ホンダのシビック タイプR 取扱説明書のタイヤの点検(温度が低いときに測定、指定空気圧のラベルの位置、空気圧が下がっているときのパンクの確認)2026年10月22日に確認
- コンチネンタルタイヤのタイヤの空気圧の案内(気温と空気圧、指定空気圧の書かれている場所、下回らない調整)2026年10月22日に確認
- 旭産業の空気圧の単位の解説と適正な空気圧管理の方法、2-Aと2-Bの製品ページ、創業80周年のお知らせ(校正していないゲージの誤差の例)2026年10月22日に確認
- エーモンのエアゲージ スタンダードグレード 8821とエアゲージの測定値が正しいかの確かめ方(よくある質問)2026年10月22日に確認
- 大橋産業のデジタルタイヤゲージ No.1228と同じページの取扱説明書(仕様、使い方、注意)2026年10月22日に確認
- AMETEK の精度の表記(% of Reading と % of Full Scale)の解説(英語)2026年10月22日に確認


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